15.12.05

非日常より日常が心の支え。

先日、サッカーのワールドカップ、グループリーグの組み合わせが発表された。
早速、ヨーロッパのメディアでは「ドイツのグループが楽すぎるんじゃね? 組み合わせ抽選にインチキがあったんじゃ?」と報じたところもある。
開催国が割と楽に戦えるグループに入るのは、前回の日韓の大会をみても明かなように、今では「当たり前」になりつつある。
真剣な戦いの場であるワールドカップに、そんな「操作」じみた抽選が行われるなんてトンデモねえぞ、と憤る人もいるだろう。
でも、ワールドカップなんだから仕方ないんじゃないの、とわたしは思う。
ワールドカップは大きくなりすぎちまった。
こんなに大きくなったものは、誰かが管理しなけば、興行として成り立たないもんだ。
多くの企業が関り、大金が動いているんだから、リスクを侵さぬよう万事順調に進めつつも、多くの人々の関心を集めるために、何らかの「操作」が必要になるってことだろう。
もちろん、「スポーツ=聖なるもの」という夢を人々から奪うことになるから、それがおおっぴらになることは、よっぽどのことがない限りありえないだろうが。

わたしもワールドカップは楽しみにしているが、アタマのどこかで、「しょせんお祭りでしょ」とも思っている。
サッカーはクラブ同士の対戦のほうが好きだし、ナショナルチームでも、EUROやアジアカップなど地域別のほうが白熱した試合を見せてくれるような気がする。
たとえば、同じオーケストラのコンサートに行くにしても、特別演奏会とか海外公演ではなく、なるべくなら地元での定期公演を聴きたいと思う。非日常より日常ってわけなんですな。

だから、わたしはFIFA主催の試合は「お祭り」として、楽しむことにしてる。それほどアツくはならない(とはいえ、前回大会はほぼ全試合観ちまったんだけどね)。
ワールドカップ開催中は、早くリーグ戦が始まらないかなあと、夏休みがなんとなく気が重いヒネくれた小学生のように過ごすんだろうな。その夏休みを充分に満喫しつつ、ね。