24.2.06

指名手配写真は味わい深い

指名手配wiki

それらの写真は、もともとは「自動車の免許」「パスポート」「遠足での思い出」などという目的で撮影されたものである。
そういうものが、コンテクストからムリヤリ切り取られて、並列される。
それが指名手配の掲示である。そのムリヤリさに、哀愁を感じてしまう。

渡部克正(55歳)のいきなりポートレート(フケ専ホストか?)くさいのがあれば、吉屋強(28歳)のあまりにも無惨な切り抜かれ方もある(ちゃあんとイラストレーターくらい使ってくださいな)。大坂正明(56歳)の時代がかかった雰囲気も印象深い。

高橋克也(47歳)の「現在のイメージ図」もグッとくるものがある。お兄さん、ずいぶんと老けましたなあ。時代も変わりましたなあ。そういえば、あの子は今どうしてる? などと、縁側でお茶を出してあげて、面識の一つもないのに懐かしい話の一つもしてあげたくなる。

わたしも、学生時代こういう指名手配ポスターを集めていた。お巡りさんがよそ見をしているスキに交番からはがして持ってくるのである。窃盗である。なにしろ指名手配のポスターは「期限が過ぎたら、燃やしてしまう」らしく、わたしのような愛好者の手には渡らないシステムなのである。何度もお巡りに交渉したが、ダメだった。仕方がなく、やった。よって、こういう犯罪は許されてしかるべきだろうと存じ奉る。

一昔、街を歩くといたる所に「オウムの手配犯」のポスターやら人形やらが飾ってあって、まるで、中国における毛沢東、北朝鮮における金親子、イランにおけるホメイニ師みたいだった。事情を知らない外国人旅行者などは、「彼らは日本の支配者に違いない」と思ったことだろう。