7.10.09

いつもの16分間だった

テレヴィでJリーグ初だという再開試合を見る。中断された鹿島アントラーズ1—3川崎フロンターレというスコアのまま、74分からスタートする、たった16分間の贅沢極まりない試合だ。

何年か前のリーガ・エスパニョーラ、ベティス対レアル・マドリーの試合で後半が停電のために続行不可能になって、後日後半45分間だけ試合が行われたのを見たことがあるのだが、それはもう伝説になっていいほどすごいものだった。何せ45分しかないのだから、最初からフルパワーで走りまくり、攻めまくり、やたらに凝縮度の高いゲームだった。

こういうものをJリーグでやってけつかるとは。しかも、今回は16分しかない。凝縮度はハンパない。下位チームの応援者としては、優勝争いなど他界の出来事だけど、これは見ておかなければならぬだろう。試合内容的には、優勝は川崎、清水、広島あたりがいいとは思っているけれど。

いきなり最初のプレイで鹿島がフリーキックで一点返してしまう。おお。あとは一方的に鹿島が攻めるだけ。気付いたらロスタイムに突入。あっという間に終了。2—3のスコアで川崎が勝利。

うーん。どうも物足りない。いつもの試合を後半74分から見ただけのような。最初に一点返されて、守りに入るしかなかった川崎。ここは、やはり16分間限定でいつもに増したイケイケな攻めを見たかったものよのう。鹿島もロング・ボールで前線に合せるだけで、ひどく単調で退屈。16分というのは、逆に短かったのか。


ことごとくマイナーなネタで恐縮極まりないが、わが愛しの「蜂さんチーム」をこんなとこで発見。ジダン息子なんて一刺しじゃっ。

6.10.09

舐めるように読んでしまった記事

なんでこんなものが報道されるの? という不思議な記事に出会うことが最近になって目立ってきているように思う。芸能人の薬物騒動なんて、スポーツ新聞とかワイドショーだけでやるぐらいの小ネタに過ぎねえのにさ。まあ、明治時代の小新聞だって、そういうバカバカしいノリだったから、それを忠実に受け継いでいるといえば、そうなのかもしれない。もともとジャーナリズム不在の国だしねえ。

そのなかでも、「これはすごいんじゃなかろうか」と思ったのは先月に報道された、コレ。

読んだら売るつもり…「坂の上の雲」など文庫4冊万引き

文庫本を四冊万引きするだけで、こんなふうに報道されるなんて、新鮮すぎる。日刊万引き新聞とかじゃなくて、全国紙の産経新聞ですよ。しかも、この報道、最初は容疑者が実名で記されていた(たった今、リンク先を確認したら、実名が忽然と消えていた)。実名で報道する意味の無さに、後から気付いたのでしょうな。そりゃそうだろ。

で、このニュースのどこらへんにニュース・バリューがあるのか。一通り読んでも、いつもながらの、つまんない日常がそこにあるだけ。これが報道の対象になるのだったら、すごいことになるざますわよ。警察に捕まった万引きの総数が年間約十万件くらいだから、朝刊開くと約三百件の万引き記事が並ぶわけ。壮観すぎねえか。

ただ、一つひっかかるのは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」ですかね。なぜ、わざわざ盗んだ本の書名がこのように見出しにまでなるのか。ははん。要するに、産経新聞は、「坂の上の雲は、万引きして読むほど面白い!」、これだけを言いたかったのではないだろうか。このメッセージを伝えるための報道というわけだ(この事件、他紙は一切報道無し)。そういえば、「坂の上の雲」の単行本は文藝春秋だけど、連載は産経新聞だった。社会面で堂々タイアップ記事というわけですか。さすが、野蛮な国で出ている新聞は、ちょっと違うぜ。