3.12.08

昇格してしまいました。

うりゃ。とうとう、来ちまった。「モンテディオ山形がクラブ史上初のJ1昇格」を告げるホイッスルが鳴らされた瞬間は、小躍りさえもせず、テレビの前でうるうるしながら、苔むす墓石のようにじんわり佇むばかり。もっとも、勝ち越し点となった豊田のゴールのときは、うぎゃあと雄叫びを挙げてしまったんじゃが。

他会場の仙台が引き分け以下に終われば、山形の昇格が自動的に決まってしまう試合なのだった。ちょうど仙台は鳥栖に大差を付けて試合を落としそうな勢い。このままであれば、目前の試合で負けても昇格を祝わなければならないという、かなり複雑な心理的解決を迫られた状態だったのだ。史上初のJ1昇格試合が負け、ではどうにもカッコがつかねえ。来年の志気にも影響しかねねえ。そんななかで、後半も終わるところで同点、そして、ロスタイムの逆転。きゃあ。

あれから三日たった今日でも、あの試合はホントーに勝ったのか、昇格は事実なのかというような、アタマのどこかに信じられない部分があって、テレビのチャンネルを回したり、ネットで何度も確認したりするのだが、試合のシーンなどを目にするたびにうるうる来てしまう。しまいには、草津の植木監督の退任挨拶を聞いても、ついでに涙ぐみそうになる。なんなんだか。

山形の名物スタジアム・グルメのカリーパンをみのもんたが食べる光景がテレビで映し出されたりとか、山形交響楽団常任指揮者の飯森範親が「年末の第九は山形の青いユニフォームを着て指揮します」とブログに書いてあったのを見たときは正直のけぞったが(まあ、「年末の第九」なんだから、問題ないだろう。そういった趣旨をも持った曲だし)。

前節は山形まで熊本戦を見に行った。この試合で勝てば昇格決定だったのだが、後半何分も残ってないところでやっとこ追いついて引き分け。この満員のホームゲーム、選手は昇格を前にして動きが硬い。連携が完全に崩れ、熊本にボールを自在に回されるといった具合。冬の冷たい雨は前半で止み、後半はポカポカと日が差してきて、周囲の雪を被った山々も神々しく輝くなかで、昇格を決められたら、いいじゃんGじゃん最高じゃんといった岡田あーみん先生のコテコテしすぎて神聖ささえ帯びた言い回しをしたくなるほどの、めでたいシチュエーションだったのだけれど。まあ、このときは残り三試合で一回勝てばいいのだし、という精神的余裕もあったのか、「引き分け、昇格お預け、それも人生」ということで、どんどん焼きと玉コンをたっぷり補給し、親にも友人にも会わずにそのまま山形を後にしたのだった。

来年は、鹿島とか清水とか、まだ行ったことのないスタジアムに足を運べぶことになるだろう。清水は箱根越えがあるから辛いが、鹿島にはチャリンコで参戦する予定。それに、浦和には元フライブルク監督のフォルカー・フィンケが来る可能性が大。フィンケの率いるチームとモンテディオが対戦することになろうとは……(ファン歴だけでいえば、山形よりもフライブルクのほうが少しだけ長いのよあたくし)。

試合当日、おめでとメールを送っていただいたみなさん、ありがとうございました。