14.1.07

納豆の恨み。


スーパーに行くと、納豆の在庫が見事に切れている。ここでこんな光景を見たのは初めてだ。二三日前にネットに、「ダイエットのために納豆の売り切れ続出」という記事があったのを思い出したのだが、ここまで悲惨な状態になっているとは想像できなかった。

一日に一度はこの食品を召しやがる自分にとって、これは由々しき問題である。一般人の生活が脅かされているのである! ダイエットへの憎しみがメラメラと燃え上がる。「趣味はダイエットです」なんて平気な顔してぬかす奴らの家に押しかけて、その贅肉を小突きながら説教してやりたくなる。オマエらのその理想主義は、その肉体よりもずっと醜いのだぞと。

最近はノロ・ウィルス・ダイエットというのも流行ったらしい。今のシーズンなら、冬山ビバーク・ダイエットかな。無添加シャーベット食い放題で、みるみる痩せる。痩せることはこんなに簡単なのに、なぜ納豆が狙われるのかと思うとはらわたが煮えくり返る。

納豆メーカーは、これで大儲けのチャンスなのかもしれないけれど、こういう一過性のものは、業界の体力を無くすだけだ。増産だ増産だとばかりに規模を拡大すると、ブームが過ぎれば、結局は無駄な投資になる。最近は企業もそんなにバカじゃないから、そんなブームに乗っかって、自らの寿命を縮めるようなことはないと思うのだけど。

これはクラシック音楽における「のだめ効果」と同じ。まあ、通常は当日券で余裕で入れるNHKホールのNHK交響楽団定期が満員札止めだったり、カルミナ四重奏団の新譜が売り切れ続出で手に入らず、オークションで五倍の値段が付く、なんて自体がまだ起きてないから、まだ安心だ。ただ、クラシック系の業界人はこういうブームに慣れてないのがちょっとだけ心配。

しばらくは、海外に行ったつもりで、納豆なしで過ごすことにする。