20.12.05

トリエンナーレな日

先週土曜日は横浜トリエンナーレで一日を過ごす。
今年こそはパスポート購入して、少なくとも3回はぶらつきまくるぞうウリャア、なんて考えていたが、実際には最終日の一日前、閉幕間際に飛び込んじまうことになっちまった。
なにしろ、横浜という距離がビミョーでなんである。とくに、自転車族である自分にとっては。
都心ならホイホイと気軽に遊びに行けるし、水戸とか前橋ならば気合い入れて「この日は絶対にまみえるべし」という予定を立ててしまうのだが、中途半端な横浜だと、「今日はダルいしー、あんましエンジョイできないともったいしー、また別の日にするべし」なんてズルズルと行く日が遅延されてしまうのだ。

こういう場所は自分にとっては遊園地そのもの。
ゲートをくぐった瞬間の、なんともいえない自由な空気がたまらない(こういう空気を求めて、美大の学祭なんか行くと、妙な閉塞感にぐったりしてしまうけど)。
ガキを押しのけてでも、とにかく遊ぶ。コンセプチュアルなやつ大歓迎。余計な能書きがなければ、ないだけいい。
壊していい作品があれば必死になって叩いて踏みまくるし、気に入った映像があれば何十回も繰り返し見たりする。

堀尾貞治と現場芸術集団「空気」による百均絵画でも、オーダーにないやつをわざと注文してみるが、そばに居た関係者に「今日は忙しいから」とやんわりと断られてしまう。
ヴィンター&ホルベルトのブランコで横になって乗ったら、「危ないからやめて下さい」と係員に注意されてしまう。それにしても、ブランコっつうたら、八谷和彦のオーバー・ザ・レインボウをしみじみと思い出すなあ。

今回は「これは」とうならせ、そのアイディアに脱帽するのみならず嫉妬の念まで巻き起こし、地面に寝転がって足をバタバタさせてしまうようなものはなかったけれど、充分に遊べたので、満足。都心にもこういうの常設しとけよな、高層ビルばっかし建ててないでさ(とはいえ、常設すると、面白味は半減するのかも。やはり消えてなくなるはかなさが、気分良さげな空気を作ってるのだろう)。

すっかり暗くなったナカニワで野村誠を被写体としたビデオを二本観て、気持ち良く締め。
動物相手にコラボレーションを企てる野村さんは、やっぱすごかった。彼の鍵盤ハーモニカを聴いて、うっとりしてしまうライオンのシーンなんか、まさにオルフェウス状態。無性に彼のライヴに行きたくなった。